悩んでいたホタルイを見事に抑えこんでくれた
野呂 義久 様
「継いでやらなければ」と
圃場の所有面積が大きかったので、父の死をきっかけに就農した。
県北の中央に位置し、古くから羽州街道の要衝として栄えてきた北秋田市。
森吉山の樹氷は「日本三大樹氷」の一つに数えられ、冬には多くの観光客が訪れる。
盆地なので一日の気温差が大きく、米作りにも適した土地だ。
あきたこまちを中心に、最近はめんこいな、ゆめおばこを作る農家も増えてきた。
昨年(令和3年)還暦を迎えた野呂義久さんは、あきたこまちを8ヘクタール、めいんこいなを3.4ヘクタール、飼料米を5ヘクタール、ほかにそばとキュウリも作っている。
高校卒業後は企業に就職したが、
「家が持っていた圃場の面積が大きかったから、いずれ継いでやらなければ、と思っていた」という。
2003年(平成15年)、父を亡くしたことをきっかけに就農した。
1日2回は圃場に出ている
予定通りにいかないのが農業 だからこそ、結果を出せると嬉しい
組織の中で働く会社勤めと違って、農業はすべて自分に責任がかかってくる。
また、稲を植えて肥料をやれば自動的に収穫できるというものでもない。
「溝切り一つするかしないかでも収穫量が全然違ってくる。米作りは天候に左右されやすいので生育観察は怠らず、毎日2回は圃場に足を運ぶようにしています」
時間に追われることも多い。特に収穫は短期間の勝負なので、夜明け前の午前3時から起きて作業しなければならないという。
「大変なことも予定通りにいかないこともたくさんある。だからこそ、狙い通りの結果を出せたときは最高の気分です」
長男の竜平さん(30)も2020年(令和2年)に就農し、今は親子3人で汗を流している。
「キュウリは全面的に竜平に任せています。後を継いでくれるのは、やはり親としては嬉しいですね」とほほ笑んだ。
粒剤とフロアブルを使用
以前使って効果があった「アッパレZ」 見事にホタルイを抑えてくれた
JA秋田たかのす経済部購買課の中嶋紀人さんは「野呂さんは技術もあるし、とてもまじめに取り組んでいる方」と太鼓判を押す。
昨年春、LINEの公式アカウントを作ると、野呂さんもいち早く登録した。「忙しくてJAに行けなくても役立つ情報が入ってくる。貴重な情報源になっています」と話す。
除草剤は2種類。まず田植と同時に初期剤として『ピラクロン』を、一週間後に『アッパレZ』を使うというスタイルだ。『アッパレZ』は登場した時に数年間使った経験があり、「うまく草を抑えている」印象があったので昨年から再び採用したという。
「粒剤は動力散布機でまき、大きい圃場にはフロアブルを使いました。ホタルイが多かったんですが、見事に抑えこんでくれた。引き続き、今年も使う予定です」