代々受け継いだ農地を守り、次代にバトンを渡す
矢野 利文 さま
「釣りキチ三平」の里
秋田の自然を描き続け、昨年他界した人気漫画家・矢口高雄の故郷。
JA秋田ふるさとの管内は県東南部に位置する横手市と美郷町の一部。秋田の豊かな自然を生涯描き続け、昨年81歳で鬼籍に入った人気漫画家・矢口高雄の出身地(旧・増田町)としても知られる。青果物のイメージキャラクターには国際的な知名度を誇る「釣りキチ三平」が使われている。
「水稲が一番大きいのですが、ほかにもスイカやしいたけなど園芸・果樹も豊富な複合産地です。昨年度の販売額は205億円でした」と同JA営農経済部米穀課の山脇康文さん。リンゴは県内生産量の7割以上を占めているという。
農家冥利に尽きる喜び
家族で一緒に汗を流し、ともに収穫を味わえる喜びは農家ならでは。
矢野利文さん(61歳)はあきたこまちを4ヘクタール、ほかにそば、キャベツ、枝豆なども少量ずつ作っている。
農家に生まれたが、次男ということもあって家業を継ぐ必要はなかった。冬になると父は東京に出稼ぎに行き、母はカッパを着て土木作業をする。そんな姿を見て親とは違う道に進もうと普通高校を卒業し、稲庭うどんの製造会社に就職した。ところが、はからずも28歳で就農することに。「農家だけはイヤだと思っていたのに、農家の長女と結婚して婿入りすることになってしまって」と笑う。
長く兼業農家を続けていたが、4年前に息子が就農するのに合わせて専業になった。いざ体験してみると、農業にはほかの職業にない魅力がいろいろあることを知った。
「朝の新鮮な空気の中で汗をかく心地よさ。朝日や夕日の美しさ。とりわけ、家族一緒に作業して、ともに収穫の喜びを味わう瞬間は農家利に尽きると思っています」
すでにキャリアは30年を超えているが、矢野さんはあくまで謙虚だ。
「キャリア30年といっても、稲は30回しか作っていません。自然相手の仕事は思い通りにはいかない。一生勉強だと思って
います」
今年ももちろん『アッパレZ』
JAの担当者に勧められて使ってみたら見事に効き、すっかり気に入った。
2019年(令和元年)から『アッパレZ』のジャンボ剤を使い始めた。信頼するJA秋田ふるさとの山脇さんに勧められたのがきっかけだ。
「小さい圃場にもいいので、ぜひ一回使ってみてくれといわれて。最初の年は30アールの圃場一枚だけに使ってみたのですが、それが見事に効き、すっかり気に入りました」
雑草の薬剤抵抗性などを考慮して常に3~4種類の除草剤を併用するが、今年も1ヘクタールは『アッパレZ』と決めている。
「先祖代々受け継いだ肥沃な農地を守り、そのバトンを息子に渡す。それが自分の使命だと思っています」
最後まで晴れ晴れとした顔で、矢野さんはそういった。