稲作という幸せな仕事へ。米作りの未来も創る
八木橋 登 様(右) 福士 博人 様(左)
農事組合法人 羽白開発
土地と土壌に恵まれた津軽
青森県初の農事法人として誕生。
世界有数の豪雪地帯である津軽は、他ならぬその雪が恵みの水をもたらし、肥沃な土壌を育んできた。
このゆたかな環境が稲作に適していることは「富田」や「実法」といった地名があることからもわかる。
羽白(はじろ)開発は1981年(昭和56年)に発足。
青森県第1号の農事法人だ。
正職員7人で、約86ヘクタールの圃場で、つがるロマンやまっしぐら、もち米や飼料米を栽培している。
田中稔賞を受賞
人と人のつながりで稲作を広げる。
現在、代表として組織を率いているのは八木橋登さん(70歳)。
家業の農業を継ぎ、近隣の仲間とともに機械の共同利用を目的に組織化した際の発足メンバーだ。
若手の福士博人さん(27歳)は創業者である福士英雄さん(73歳)の息子さん。
農業関連の専門学校を卒業後に加わった。
「私たちは、美味しい米作りを追求していますが、米だけでなく稲作が永続するための人と人のつながりも大切にしています。
その取り組みが評価されて、2008年(平成20年)に青森県の稲作農業の振興に功績のあった個人・団体に贈られる《田中稔賞》を受賞しました」
と八木橋さん。
「未来にも稲作の輪を広げるために、小学生対象の田んぼの学校を開催し、田植え・稲刈りなどの体験の機会を提供しています。
子どもたちは皆、目を輝かせながら取り組んでくれるので、うれしいですね」と福士さん。
試験の結果が良く追加注文
効き目と並んで省力化も味方に。
羽白開月でバッチリを使い始めたのは2014年頃。
八木橋さんは当時を振り返る。
「ノビエに苦労していたところ、JA青森から試験を提案して頂き、試しに使ってみたら想像以上に効果があり、すぐさま追加注文しました。
バッチリLXになってからも、現在まで使い続けています」
福士さんは効き目以外のメリットにも注目しているそうだ。
「ジャンボ剤にしてから労力が大幅に軽減しました。
粒剤で田植え同時に散布する時には、細かな水の管理が必要です。
私たちは耕作面積が広いので、田植えだけでも一ヶ月近くかかる。
できるだけ作業を簡略にしたいというニーズに合うし、手伝いで来てくれる初めて農業に関わる人にもまきやすい。
まさに適《剤》適所ですね」
歓びを共有したい
稲作という幸せな仕事へ、若い力を募る。
後継者に悩む農家が多いなか、20代のメンバーが3人いる。
八木橋さんはこう語る。
「うらやましいと言われることは多いです。
が、若い人にもっと参加してほしいですね。
思いを込めて稲を育てる。そうすると稲が実りで応えてくれる。
その歓びを味わってほしいです」
福士さんもうなずく。
「八木橋さんは、米作りの匠。
一朝一夕で身につかないノウハウをたくさん持っています。
それを私たちだけのものにしたらもったいない。
ぜひ共有して、《このお米、美味しいね》と言われる幸せと出会ってほしいと思います」