「おいしいお米コンクール」金賞受賞者も満足した実力
佐々木 竜孝 さま
あきたこまちの名産地
米の取扱量7万トン。あきたこまちの出荷量は日本一を誇る。
秋田県南部のJA秋田おばこは、県内でもあきたこまちの名産地として名高い。美郷町営農センターの熊谷剛課長は「ここは米に特化したJAです。9割があきたこまち、他にゆめおばこ、めんこいな、秋のきらめき、きんのめぐみなどを作っています」と話す。
米の取扱量は実に7万トン。あきたこまちの出荷量は日本一を誇る。
美郷町千畑地区に住む佐々木竜孝さん(58歳)は、あきたこまちを4ヘクタール、ゆめおばこを1.1ヘクタール、きんのめぐみを1.2ヘクタール栽培。千畑「米の精」減・減栽培部会の会長を務め、化学肥料の使用を抑えた有機質100%の肥料を使う。JA秋田おばこが主催する「おいしいお米コンクール」で金賞を受賞した実績も持つ実力者だ。
農業を通じて人とつながる
相互交流している東京の公立小学校に農作物を届けに毎年上京。
高校卒業後、春と秋の4ヵ月は家の農作業を手伝い、残りの8ヵ月は近所の建築会社で働くというスタイルを30代半ばまで続けていた。1998年(平成10年)に圃場整備が入ったことがきっかけで専業農家に。
「その頃、無人ヘリコプターのオペレーターの資格を取ったこともあって、農業に本腰を入れなければならない状況になったんです」と振り返る。
5年ほど前から、町立千畑小学校と相互交流をしている東京都港区立御田小学校の「ふれあい祭り」に参加するようになった。作った農作物を車に積み、3~4人の仲間とともに毎年上京するという。
「最初は米や野菜を送るだけだったんですけどね。児童のお父さんに東京観光に連れて行ってもらったり、どんどんつながりが広がっていって楽しいですよ」
3年連続の採用が決定
ノビエとホタルイに効く『アッパレZ』は部会でも好評を博した。
100人余りの会員がいる千畑「米の精」減・減栽培部会では、協議の結果、2019年(令和元年)から『アッパレZ』を使うことが決められた。ジャンボ剤を試した佐々木さんも効果には満足している。
「昔使ったジャンボ剤はダメだったけど、『アッパレZ』はノビエ、ホタルイによく効いた。部会では2~3年で除草剤を切り替えているのですが、評判がいいので3年目の来年もこのまま使うことが決まりました」
秋田県では2022年(令和4年)から秋田米新品種(秋系821)を生産することになっている。
「千畑のあきたこまちは高く評価されている。このノウハウを活かして、新品種にも取り組んでいきたいですね」
今は離れて秋田市で暮らしている長男(21歳)も、将来は農業を継いでくれる予定だ。