ヨトウムシ
(ヨトウガ)
- 分類
- チョウ目、ヤガ科
- 学名
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- Mamestra brassicae
- 英名
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- Cabbage armyworm
【おもな加害作物】
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非常に広食性で、イネ科以外のほとんどの植物を食害する。
ジャガイモ、ダイズ、ピーマン、ナス、トマト、ダイコン、ハクサイ、キャベツ、カリフラワー、ネギ、レタス、セルリー、ホウレンソウ、イチゴなどの野菜類、カンキツ、リンゴ、モモ、オウトウ、カキなどの果樹類、キク、トルコギキョウ、バラ、カーネーションなどの花き類。
【生態】
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一般に年に2回発生、地域によっては3回発生する場合がある。蛹で越冬し、4月下旬から羽化、すぐに交尾、産卵する。1メス当たりの生涯産卵数は1,000~3,000卵程度である。夜間に数十~数百個の塊で葉の裏に整然と並べて産下される。孵化幼虫は集合する性質があり、葉裏に集団が観察される。強い集合性ではないため、葉を揺らすなどの物理的刺激が与えられると吐糸しながら分散する。また、3齢期ぐらいになると分散し、日中は土中や株の地際に潜んで、夜間に活動する。6齢まで成育し、その後地中にもぐって蛹化する。夏季の高温長日条件下で夏眠する。ただし、冷涼な地域では、断続的に幼虫が発生する場合がある。9月~10月に成虫が羽化し、10月~11月に次世代幼虫が発生する。その後、晩秋に地中で蛹化し、越冬する。
【被害】
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孵化幼虫は葉裏に集合して食害するため、初期被害は一部の株に集中する。食害を受けた葉は表皮のみが残る。分散後は日中、土中や株の地際に潜み、夜間に摂食する。葉に穴を開けながら大きな食害痕を作る。終齢期の幼虫の食害が、生涯摂食量の9割程度を占める。
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年間の発生回数が少なく、発生時期の変動は比較的小さいので、例年被害を受ける時期に圃場を観察し、部分的に食害が集中している株が見られたら、速やかに防除を行う。