シロオビノメイガ
- 分類
- チョウ目、ツトガ科
- 学名
-
- Spoladea recurvalis
- 英名
-
- beet webworm, Hawaiian beet webmoth
【おもな加害作物】
-
ほうれんそう、てんさいなどのアカザ科作物、ケイトウ 、アマランサスなどのヒユ科。
【生態】
-
海外から飛来する長距離移動性の害虫。東アジアや東南アジアを中心に、日本、中国、韓国、フィリピンなどの温暖な地域に分布。海外(朝鮮半島、中国)での越冬形態は蛹とみられるが、寒さに弱く、日本での越冬はほとんどの地域で困難とされている。発生は夏以降に多くなるが、飛来の時期によってずれが生じるので年次変動が大きい。夏から秋にかけて気温が高く推移すると発生が多くなる。成虫が褐色で白い帯のついた翅をもつため、シロオビの名前の由来となる。
北海道などの寒冷地では2~3世代程度だが、関東以西の西南暖地では5~7世代の発生が可能と考えられる。
卵は扁平な楕円形で、葉裏に数個ずつ点々と産卵。幼虫は5齢を経て株元の浅い土中で蛹になる。幼虫の形態は、頭が扁平気味で、体が半透明でツヤ感がある、成長すると黒い斑点が目立つ等他のチョウ目とは大きく異なるため、見分けは容易である。
【被害】
-
海外からの飛来害虫であるため、梅雨期以降に日本全国に飛来すると考えられている。そのため、春は発生がほとんど認められないが、夏以降多発し、葉を激しく食害する。ほうれんそうでは、若齢幼虫は葉裏から食害し、表皮だけ残すので白く目立つ。成長すると糸をはいて葉を丸めたり、葉脈の隙間に荒い巣を作り葉全体を摂食するようになる。
-
アカザ科、ヒユ科の雑草で増殖するので、圃場周辺の雑草管理も重要である。
老齢幼虫になると暴食するので、よく圃場を見て回り、発生初期(若齢の時期)に薬剤防除を行う。有機リン剤、合成ピレスロイド系殺虫剤の効果が低い事例が報告されているため、指導機関からの情報も踏まえ、他の作用性の殺虫剤の使用が望ましい。