ネダニ類
(ロビンネダニ)
- 分類
- ダニ目、コナダニ科
- 学名
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- Rhyzoglyphus robini
- 英名
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- bulb mite
【おもな加害作物】
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ニラ、ラッキョウ、ネギ、アサツキなどのネギ属の作物やチューリップ、ユリなどのユリ科作物を加害する。
【生態】
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ロビンネダニは年間を通して10回以上発生し、春~初夏と秋に多発する。体長は1mm以下と非常に小さく、成虫は乳白色、卵は長径0.2mm程度の楕円形の白色である。本種の通常の生活環は卵→幼虫→第1若虫→第3若虫→成虫からなり、幼虫から成虫は乾燥に極端に弱く、相対湿度が60%以下では1時間程度で死亡する。発育適温は20~30℃、卵~成虫の発育期間は10~17日である。餌の不足など環境が悪化すると第1若虫は第2若虫に相当するヒポプス(耐久態)になり、生育に良好な環境になると第3若虫に脱皮する。ヒポプス(耐久態)は劣悪環境に対する耐性が高く、餌のない条件下でも長期間の生存が可能であり、口が退化し、体が淡褐色であるなど、他のステージとは形態が大きく異なる。
【被害】
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ニラやネギなどの地際部や球根部、根部に寄生し、吸汁加害する。これにより、葉色の悪化、生育・分げつ抑制、球根肥大の抑制を引き起こす。ニラでは葉を湾曲させ、製品価値を低下させる。酸性で有機質が多く含まれる土壌で多く発生し、連作圃場で多発しやすく、前作の残渣や未成熟堆肥が増殖源となるため注意が必要である。
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本種は基本的に土壌中に生息しているため、被害が発生するまで寄生していることに気付きにくいのが特徴である。地上散布剤などを用いて薬剤防除を行う場合は、農薬のラベルに従い、用法用量の範囲内で十分な量を処理することが重要である。前作でロビンネダニによる被害が認められた場合、作物残渣を除去が発生源の低減に繋がる。
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主な登録作物
- にら