ハダニ類
- 分類
- ダニ目、ハダニ科
- 学名
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- Tetranychus urticae(ナミハダニ)
- Tetranychus kanzawai(カンザワハダニ)
- 英名
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- two-spotted spider mite(ナミハダニ)
- Kanzawa spider mite(カンザワハダニ)
【おもな加害作物】
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野菜類、果樹類、花き類など非常に多くの作物を加害する。
ナミハダニ
サツマイモ、ダイズ、ピーマン、ナス、トマト、ウリ類、セルリー、ホウレンソウ、イチゴ、カンキツ、リンゴ、ナシ、モモ、ウメ、オウトウ、ブドウ、カキ、キク、トルコギキョウ、シクラメン、バラ、カーネーションなど。
カンザワハダニ
イネ、トウモロコシ、サツマイモ、ダイズ、ピーマン、ナス、トマト、ウリ類、セルリー、ホウレンソウ、イチゴ、カンキツ、茶、リンゴ、ナシ、モモ、スモモ、ウメ、オウトウ、ブドウ、カキ、キク、バラ、宿根カスミソウなど。
【生態】
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ハダニ類のメス成虫の体長は0.5mm程度で卵形をしているのに対し、オス成虫はやや小さく、細い逆三角形をしている。卵→幼虫(脚は3対)→第一静止期→第一若虫(以降脚は4対)→第二静止期→第二若虫→第三静止期→成虫のステージを経過する。第一から第三の静止期は脱皮前に活動を停止する期間である。メスの第二若虫が第三静止期に入ると、オス成虫が周りに集まりガードし、脱皮して成虫になるとすぐに交尾をする。交尾ができなかったメスはオスになる卵を産下する。25℃では2週間程度で卵から成虫に発育する。施設栽培では年間10世代以上を重ねる。
【被害】
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幼虫、若虫、成虫が口針を植物体に挿して吸汁することにより被害が生じる。吸汁痕は白色または褐色の斑点やかすり状になる。成長点に寄生すると萎縮や奇形が生じる。多発すると葉が枯れ、株が枯死することもある。ハダニは歩行時には常に糸を出しながら移動しているため、多発すると植物体に白い網がかかったようになる。
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ハダニ類は年間発生世代数が多いため、薬剤による淘汰を受ける機会が多く、抵抗性が発達しやすい。多発条件になると防除が難しくなるため、初発期の防除を心掛ける。
バロック®フロアブル
各種ハダニ類の卵と幼若虫に有効。成虫に殺ダニ効果がないため遅効的に見えるが、本剤を散布した成虫が産んだ卵は孵化しない。抵抗性が発達しているエリアがあるので注意が必要。
主な登録作物
- きゅうり
- なす
- メロン
- いちご
エコピタ®液剤
食品(還元澱粉糖化物)が有効成分。気門を封鎖して殺虫効果を示します。幼虫と成虫に効果があります。直接かからないと効果が発揮されませんので散布ムラに注意してください。卵への効果や残効は期待できないので7日間隔の連続散布がおすすめです。ハダニ類以外に、アブラムシ類、コナジラミ類、うどんこ病に効果があります。
主な登録作物
- ミニトマト・トマト
- きゅうり
- なす
- ピーマン
- メロン
- いちご
- ほうれんそう
- キャベツ
- はくさい
- にら
- たまねぎ
- ねぎ
ピタイチ®
いちご専用の気門封鎖剤。卵にも効果が期待できます。直接かからないと効果が発揮されませんので散布ムラに注意してください。残効は期待できないので7日間隔の連続散布がおすすめです。ハダニ類以外に、アブラムシ類、アザミウマ類、うどんこ病に効果があります。
主な登録作物
- いちご